先日ネットでこんなページを見つけました。
※「カラパイア」→「動物たちには世界がこんな風に見えている」
興味深かったので、ネットで検索して、ユクスキュル/クリサートという生物学者が書いた、
「生物から見た世界」という本を購入し読んでみました。
「還世界(かんせかい)」という概念を提唱し、解説している本です。
簡単に言うと、
全ての生物は、その生物がもつ固有の知覚で捉えた主観的な世界(=還世界)で生きている
ということ。それはつまり、
全ての生物は、その生物がもつ固有の知覚の範囲内でしか、世界を認識できない
ということらしいです。
僕も含めて人間は、客観的な「世界」「環境」がある、と考えています。
そして、人間以外の動物・昆虫など、あらゆる生き物が私達人間と同じ「世界」「環境」で生きている、と考えがちです。
でもよく考えれば、
その「世界」「環境」はあくまでも人間という生物種から見た主観的な「世界」「環境」でしかありません。
人間には人間の知覚の範囲内での「世界」「環境」があり、
犬・猫・鳥・カエル・ハエ・ミミズにはそれぞれの知覚範囲内での「世界」「環境」があります。
つまり、
人間が客観的な「世界」「環境」と考えている(信じている)この「世界」「環境」は、
「世界全体」「環境全体」から、人間の主観的にその一部分を抜き出した「世界」「環境」にすぎない
ということです。
・・・
同じ人間同士でも、人によって世界の見方・見え方はかなり違ってくるように思います。
僕は僕の主観で「世界全体」から一部分を抜き出して、それが「世界全体」だと信じ込んでいます。
僕の見ている世界と、他の人が見ている世界はもしかしたら全然違うのかもしれません。
他の人を理解しようとするとき、僕の見方・見え方だけで理解しようと考えるのではなく、
その人がどういう見方・見え方をしているのか、ということを含めて理解しようとすることは大切だと思います。
そうすることで、僕には見えていなかった「世界の別の見方・見え方」に気付くことが出来る、
きっかけになるんじゃないか・・・、なんて思った今日この頃です。
この本はなかなか面白そうだと、前から書店で目をつけていました。記事を読ませていあただき、いわば「理系からの哲学書」とも言える内容と感じました。世界認識のあり方は、昔から人間世界だけでも大きなテーマだったわけですが、仏教のようにすべての生命を差別しないで扱う立場からは、こうした書物は貴重かもしれません。なるべく早く読んでみます。