「新盆」
銚子では、「しんぼん」と発音します。全国的に見ると、「にいぼん」「あらぼん」と発音する地方もあるかと思います。
呼び方が地方地方でまちまちなように、新盆の迎え方も地方によってさまざまかと思います。
かつては、地方はそれぞれ独立した”国”のようなものでしたから、各地方で言葉が違ったように(※方言)、新盆の迎え方にも地方で違い・特色があるのは当然かと思います。
銚子では新盆を迎えるにあたり、自宅に「棚」をかざるのが一般的です。(※新盆棚)
浄土真宗のご法義に詳しい方ならご周知のとおり、浄土真宗では、新盆だから、お盆だからといって、棚をかざることはしません。
寳満寺さんでは、新盆を迎えるにあたり、6月から7月にかけて一軒一軒ご門徒さん宅を訪問し、お寺の新盆の行事等について説明させていただいています。
ここが難しいのですが!?その際、上記の浄土真宗では棚をかざらないことを伝え、あとはご門徒さん自身に、棚をかざるか・かざらないかを選択していただいてます。そして、飾るのであれば出来るだけ簡素にかざっていただくようにお願いしています。
確かにご門徒さんの立場にたってみると、いくら寺が「かざらなくてもOK」といったところで、棚をかざるのが一般的なここ銚子において、故人にご縁のあった方がお参りにきてくださった際、「この家は、新盆なのに棚もかざってない!世間知らずな家だ!」なんて思われなくもありません。
個人的には、銚子においては、この状態がベストだと感じています。
仏教では「『正解』は必ずしもひとつとはかぎらない」と思うからです。
(※浄土真宗も仏教である以上同様だと思います)
とかく現代では「どちらが正しいか?」と正解にこだわってしまう傾向、ものごとの白黒をはっきりさせたがる傾向がありがちですが、仏教の教えは、画一的ではないはずです。
「八万四千の法門」という言葉があります。釈尊は相手に即して教えを説かれました。
その人その人にあった教えを説いたので、教えが八万四千になった、という風に言われています。元来仏教にはいろんな教えがあります。(※このことが色んな宗派がある理由です。)
ここ銚子において、新盆にあたられている浄土真宗のご門徒さんが、
- 「新盆棚を飾る」のも正解
- 「新盆棚を飾らない」のも正解
- 「どっちが正解なのか、よくわからない」のも正解
と思う今日この頃です。
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