棚飾りの確認で、とあるご門徒さんのお宅にお伺いした時のこと。
棚の件でいろいろ説明させていただいていた時に、
「仏って意味がよくわからん!」
みたいな事を言われた方がおりました。
確かに言われてみれば、一般的には「死んだ人」という意味で使われているように思います。
その意味で、
「亡くなられた方はお浄土に生まれ『仏』となられたので~・・・」
といくら説明してみても、話が食い違うばかりです。
「仏」という字、昔は「亻(にんべん)」に「弗」と書いた「佛」という字を使っていました。
調べてみると「弗」は「あらず」という意味で、「佛」とは「人にあらず」ということをあらわしていたそうです。
「仏」は、もともとサンスクリット語(古代インドの言葉)の「ブッダ」の音を
漢字で「仏陀(ブッダ)」と当てたもので、本来は「目覚める」という意味です。
お釈迦さま(=釈迦牟尼世尊=釈尊)は三十五歳の時に菩提樹のもとで悟りをひらかれ、
「真理の法」(縁起の法)に目覚められました。
そのとき、お釈迦さまは、「仏」すなわち「目覚めたもの(覚者)」となられました。
つまり、
「仏」とは「真理に目覚めたもの」=「悟りをひらいたもの」
のことを言います。
決して「仏教」は「死ぬための教え」ではありません!
「目覚めるための教え」です。
「日々をどう生きるか」「どう生きるべきか」ということが仏教の教えです。
平成27年5月10日追記:
自分も今まであまり意識しないで、仏(ぶつ)と仏(ほとけ)を使ってきました。
今後、注意して使っていかなきゃな・・・なんて思います。