「戒」のことを全然知らなかった浄土真宗僧侶の僕がいましたので、
「戒」についてちょっと調べてみました。
大乗仏教における基本的な「戒(かい)」が5つあります。
「五戒(ごかい)」と言われています。
- 不殺生戒(ふせっしょうかい)
- 不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
- 不邪淫戒(ふじゃいんかい)
- 不妄語戒(ふもうごかい)
- 不飲酒戒(ふおんじゅかい)
「五戒」は仏教徒であれば守るべき「いましめ」です。
実は「いましめ」の名のとおり、やぶったからといって特に罰則はありません。(大乗仏教)
※初期仏教(上座部)では厳守!。
「戒律(かいりつ)」は罰則規定(律)がある。(出家修行者)
「戒」は古代インドの言葉(サンスクリット語)で「シーラ」といい、
「習慣」とか「習慣性」という意味だそうです。
「~するな」
ではなく、
「~しないような習慣を身につけよう」
というのが戒です。
つまり、仏教徒としての道を歩む、ということは、
私が
- 私は生き物を殺しません。(不殺生戒)
- 私は他人のものを盗みません。(不偸盗戒)
- 私は恋人・配偶者以外と性的関係を持ちません。(不邪淫戒)
- 私は嘘をつきません。(不妄語戒)
- 私は酒を飲みません。(不飲酒戒)
と自らを戒め、こういう習慣を身につけて生きていこう、という志を持ち、
生きていくことです。
今の日本で生きていく、生活していくにあたり、
「戒」を完全に守りきることは不可能だと思います。
時には、生き物を殺さざるをえないこともあります。
時には、うそをつかざるをえないこともあります。
時には?酒を飲むときもあるでしょう。
こういう状況のときに、決して開き直るんじゃなくて、
私は「戒」をやぶっているんだ、という自覚を持つことが大切なように思います。
「戒」をやぶったときに、
「自分は弱い人間なんだなぁ」と自覚することが大切なように思います。
自分が弱い人間だ、ということに気付けたときにはじめて、
他人の弱さも許せるこころが持てるんじゃないかなと思います。
浄土真宗は「他力のおしえ」です。事実上「無戒」です。
ただ、浄土真宗が仏教を名のっている以上、仏教徒である以上、
自らを戒め、志をもち生活していくことは、とても大事だし、必要なことだと思います。
開き直っちゃいけないな、と思う今日この頃です。